投稿日 2024.03.28

最終更新日 2024.03.28

経理の企業のDX推進成功事例10選ご紹介

経理の企業のDX推進成功事例10選ご紹介

経理DXとは

経理DXとは、デジタル技術を駆使して経理業務を変革することです。単なる業務の電子化にとどまらず、プロセスの抜本的な見直しや、データ活用による新たな価値創出を目指します。クラウドシステム、AI、RPAなどのツールを戦略的に導入し、業務効率化、コスト削減、ガバナンス強化を実現。さらに、リアルタイムの財務分析や予測により、経営の意思決定を支援します。経理DXは、経理部門をコストセンターからバリューセンターへと進化させる鍵となるでしょう。

経理のDX推進の企業の成功事例

経理DXの成功事例は、業種や企業規模を問わず、数多く見られます。ここでは、特徴的な10社の取り組みを紹介します。

E社(大手小売業)

E社は、AIを活用した経費精算の自動化に取り組んでいます。従業員が提出した領収書をAIが自動で読み取り、経費の内容を判別。経理担当者の確認作業を大幅に削減しました。また、不正な経費申請の検知にもAIを活用。業務効率化と不正防止の両立を実現しています。

F社(製造業)

F社は、RPAを活用して、仕訳業務の自動化を実現しました。AIを用いて取引内容を分析し、適切な勘定科目を自動で割り当てます。これにより、仕訳業務の処理時間が70%削減。経理担当者は、より付加価値の高い業務に注力できるようになりました。

G社(サービス業)

G社は、クラウド会計ソフトと電子請求書の活用に注力しています。請求書の発行から入金までの一連の流れをデジタル化。印刷・郵送コストの削減だけでなく、入金サイクルの短縮にも成功しました。また、AIを活用した与信管理により、取引先の信用リスクも適切に管理しています。

H社(小売業)

H社は、モバイルPOSシステムと連動した経理DXを推進しています。店舗での売上データがリアルタイムで会計システムに反映され、日次決算が可能に。また、在庫管理システムとの連携により、適正な在庫水準の維持と、欠品リスクの低減を実現しました。

I社(運輸業)

I社は、クラウドERPシステムを導入し、経理業務のデジタル化を進めています。乗務員の日報や燃料の使用量などのデータを自動で収集・集計。経理データの正確性と迅速性が向上しました。また、AIを活用した配送ルートの最適化により、コスト削減にも成功しています。

J社(建設業)

J社は、現場での労務管理と経理業務のデジタル化に注力しています。作業員の勤怠データをスマートフォンアプリで収集し、給与計算に自動連携。また、材料の発注や請求業務もクラウドシステムで一元管理。現場と経理部門の情報共有が円滑化し、業務効率が大幅に向上しました。

K社(医療機関)

K社は、電子カルテシステムと会計システムの連携により、経理DXを推進しています。診療データと会計データの整合性が自動的に確保され、請求漏れや誤請求のリスクが低減。また、レセプトの自動点検機能により、査定減のリスクも軽減しました。

L社(教育機関)

L社は、クラウド会計ソフトを導入し、予算管理の高度化を実現しました。各部門の予算執行状況をリアルタイムで可視化。また、AIを活用した予算シミュレーションにより、適切な予算配分を支援しています。経理部門は、経営判断に必要な情報を迅速に提供できるようになりました。

M社(不動産業)

M社は、RPAを活用して、家賃の請求業務を自動化しました。テナントごとの契約内容や入金状況を自動で確認し、必要に応じて督促メールを送信。家賃回収率の向上と、経理担当者の工数削減を同時に実現しています。また、AIを活用した空室予測により、適切な賃料設定も可能になりました。

N社(人材派遣業)

N社は、勤怠管理システムと会計システムの連携により、経理DXを推進しています。派遣スタッフの勤務データを自動で収集・集計し、給与計算に反映。また、クライアント企業への請求書発行も自動化。業務効率化だけでなく、スタッフやクライアントの満足度向上にも寄与しています。
 
以上の事例から、経理DXには、業務自動化、リアルタイム管理、AI活用、システム連携など、さまざまなアプローチがあることがわかります。自社の業務特性や課題に応じて、適切な技術を選択・組み合わせることが重要です。
 
また、経理DXは、経理部門の効率化だけでなく、経営判断の迅速化、不正防止、顧客満足度向上など、企業全体の競争力強化に貢献します。経理部門が”守り”の部門から”攻め”の部門へと進化するためにも、経理DXの推進が欠かせません。
 
ただし、経理DXの成功には、トップのリーダーシップ、現場の巻き込み、ITベンダーとの協働、セキュリティ対策、継続的改善など、さまざまな要因が関わります。これらの点に留意しつつ、自社に最適な経理DXを実現していくことが求められます。
 
経理DXは、企業の財務基盤を強化し、持続的な成長を支える重要な取り組みです。デジタル技術の力を最大限に活用し、経理業務のイノベーションを推進することが期待されます。

まとめ

経理DXの企業の成功事例10選を見てきましたが、その特徴をまとめると以下の3点が挙げられます。

業務自動化と効率化の追求

各社とも、AIやRPAなどのデジタル技術を駆使し、業務自動化と効率化を追求しています。単純作業の削減により、経理担当者は高付加価値業務に注力できるようになっています。

データ活用による価値創出

経理データをリアルタイムで分析・活用することで、新たな価値創出につなげています。適切な経営判断や、業務プロセスの最適化などに役立てられています。

全社的な変革の推進

経理DXを単なる部門の取り組みに留めず、全社的な変革の起点としている点も特徴的です。他部門との連携強化や、ビジネスモデルの変革にも経理DXが貢献しています。
 
これらの成功事例に共通しているのは、デジタル技術を単なるツールとしてではなく、経理業務の本質的な変革のために活用している点です。また、トップのリーダーシップの下、全社一丸となって取り組んでいる点も見逃せません。
 
経理DXは、企業の財務基盤を強化し、競争力を高めるための重要な取り組みです。本稿で紹介した10社の事例を参考に、自社の経理DXを推進していくことが期待されます。経理部門がデジタル変革の中心となり、企業の持続的な成長を支えていくことが望まれます。

コピペで使える!DX関連資料のグラフ集

本資料は公に公開されているDX関連資料から転載が許可されているグラフ25個をパワーポイント形式の資料にまとめました。DXの提案書作成の際にコピペしてそのまま活用していただけます。
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この記事の監修者

阿部 雅文

阿部 雅文

コンサルタント

北海道大学法学部卒業。新卒でITベンチャー企業入社し、20代で新規事業の事業部長を経験。その後さらなる事業開発の経験を積むために、戦略コンサルティングファームにてスタートアップ企業からエンタープライズ企業のデジタルマーケティングや事業開発におけるコンサルティング業務に従事する。2021年5月にFabeeeにジョイン。DXコンサルタントとして大手メーカーや総合商社などを担当するほか、数多くのクライアントから指名を受け、各社の事業開発を支援中。多忙を極める中でも、丁寧で迅速な対応が顧客から高い評価を得ている。